モンサントとは…Monsanto Company
時価総額580億ドル(5.8兆円)
モンサントという企業は、日本でも2010年に公開されたドキュメンタリー映画『フード・インク』にも登場する。「今やスーパーの加工食品の70%に遺伝子組み換え素材が使われる」と指摘する映画が映し出すのは、空中から多量に撒布される農薬や、ブクブクに太らせるだけ太らせて数歩歩くだけで足が折れてしまう鶏が密集する飼育小屋。映画自体、性悪説に貫かれすぎているきらいはあるものの、大量生産・低コストの裏側で隠されるリスクを追うこの映画で、モンサントは徹底的に叩かれている。
モンサントは政府機関と繋がっているとも言われ問題視されてきたが、「遺伝子組み換え技術に反対する方々は、モンサント・カンパニーや他の会社が政府に対して不適切な行き過ぎた影響力を行使して、遺伝子組み換え技術に有利な法制度や政策を採用させていると非難しています。しかしそうしたことはありません」と牽制してきた。
日本では、1968年のカネミ油症事件のPCB混入のPCB(ポリ塩化ビフェニル)の「アロクロール(Aroclor)」製造の独占販売で有名。農薬メーカーとしては、ベトナム戦争で使われた「枯葉剤」のメーカー。スティービー・ワンダーがFlont lineで枯葉剤orangeに関して歌っている
❏遺伝子組み換え食材の使用を明記する制度を条例化したバーモンド州に対して、アメリカのバイオ化学メーカー・モンサントが訴訟を起こしている。ニール・ヤングは、このモンサントの訴訟にスターバックスが加わっていることに対し声を上げたのだ。
http://www.cinra.net/review/20141128-neilyoung
遺伝子組み換えに関する日本の法律は?
❏OECD(経済協力開発機構)で合意された「実質的同等性」という共通概念を前提に、2003年、食品の国際規格を定めるコーデックス委員会(FAO/WHO合同国際食品規格委員会)で安全性評価の国際基準が策定され、これに基づいて各国が審査を行っています。
❏環境に対する影響については、2003年には生物多様性条約に基づき、遺伝子組み換え生物の環境放出に関する規制としてカルタヘナ議定書が発効され、各国がこれに基づいた安全性評価を行っています。
❏日本での遺伝子組み換え作物の安全性評価は、食品、飼料としての安全性、および環境中での安全性評価が行われています。
❏食品については厚生労働省が食品衛生法に基づいて、また飼料については農林水産省が飼料安全法に基づいてそれぞれ評価
❏2003年に食品のリスク評価を専門に行う独立組織として内閣府に食品安全委員会が新たに設置、これにより、食品については食品安全委員会が審査を行い、その結果を受けて厚生労働省が認可するという仕組みに変更。
❏飼料についても、飼料の家畜に対する安全性については引き続き農林水産省が評価を行いますが、飼料を摂取した家畜から得られる畜産物を人間が摂取した場合の安全性については、食品安全委員会が審査した上で農林水産省が認可する。
❏一方、作物を栽培する際の環境影響評価については、カルタヘナ議定書の国内担保法として「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(通称:カルタヘナ法)が2004年2月に発効したことにより、同法に基づいた環境影響評価が行われる。
❏カルタヘナ法の下では、閉鎖系での使用(第二種使用:実験室、特定網室など、環境中への拡散を防止しつつ栽培を行う場合)、開放系での使用(第一種使用:野外栽培や海外からの輸入など、環境中への拡散を防止しないで行う場合)など、遺伝子組み換え作物の利用目的、開発状況に応じて段階的な評価が求められ、我が国の生物多様性を損なう恐れがないよう、第二種使用については文部科学省と環境省、第一種使用については農林水産省と環境省が共同で評価、監督。
http://www.monsanto.co.jp/data/knowledge/knowledge4.html
モンサント・カンパニーのよくある質問
映画「世界が食べられなくなる日」
2012年にフランスで製作され日本でも上映されている「世界が食べられなくなる日(原題:Tous Cobayes ?)」という映画では、「遺伝子組み換えトウモロコシを長期にわたって動物に与えたところ、発がん性などの毒性が確認された」とするフランスのセラリーニ教授らの研究結果を題材として、遺伝子組み換え作物が人体や家畜に対し有害な影響を与えるかの様に表現されています。
http://www.monsanto.co.jp/data/for_the_record/sekatabe.html
映画「モンサントの不自然な食べもの」
2008年に「英語タイトル:World According to Monsanto」で公開された映画が、現在「モンサントの不自然な食べもの」というタイトルで日本で上映されています。この映画で制作者が主張しているいくつかのポイントについて、以下にモンサント・カンパニーの見解をご紹介します。
http://www.monsanto.co.jp/data/for_the_record/world_according_to_monsanto.html
モンサント社はブッシュ政権、クリントン政権と深い関係にある。政府は、管理すべき企業に管理されてきたのだ。官僚、弁護士、民間の専門家たちがモンサント社に取り込まれている。遺伝子組み換え食品の表示をモンサント社に提案したが、政府は、表示義務はないとする決定を下す。政府・大企業対労働者・消費者という図式。表示をめぐって、カリフォルニア州議会で議論、表示義務を課した法案は通過するが、シュワルツェネッガー知事は拒否する。ファストフード業界も、カロリー表示を拒否、トランス脂肪酸が含まれていることを隠したがっている。精肉業界は肉の産地表示を拒否、もちろん、遺伝子組み換えの表示も。いまや、スーパーの加工食品の70%に、組み換え素材が入っている。消費者の「食」について知る権利は、どうなるのか? 製品を批判すること自体、違法行為となる。食の感染で子供を亡くした消費者に、食について質問する。彼女は答える。「質問する前に弁護士に電話してください」。風評被害で、牧畜業者が消費者を告訴する。消費者が勝訴するまでに、6年の歳月と100万ドルの費用がかかった。コロラド州の風評被害法違反は罪である。コロラド産のひき肉を批判すれば、刑務所行きになりかねない。