視聴者参加番組から素人いじりへの変化
一般視聴者参加番組といえば、もはや、日曜日の「NHKのど自慢」と「新婚さんいらっしゃい」くらいしか思い浮かばない…。
かつては、いろんな一般視聴者がブラウン管のお茶の間を賑わせていた。
いまや、街角インタビューでしか、素人さんは登場してこない…。うん?待てよ?
まずは、一般視聴者と素人と別けるその感覚そのものがおかしいのだ。
テレビが「玄人」でしか成立しないものという発想があるから「素人」という発想がある。
「一般視聴者」と「芸人・タレント」と別けるべきなのだ。
あくまでも、「一般視聴者」であって、芸人・タレントの「素人」ではないはずだ。
クイズ・タイムショックで、田宮二郎さんが司会をされていた頃の動画を見ると、ほんとうにびっくりする。ごく普通の一般の方が出て、回答されているんだけど、田宮さんの接し方が、丁寧で、リスペクトに満ちているのだ。ぴったしカンカンでも、一般の方が出ていらしたように思う。それで、この頃(テレビの黄金期)の番組作りでは、一般の方が、そのまま、ごく普通のキャラクター、というか、等身大のまま出ていらっしゃるのだ。それが、いつからか、テレビは、芸人さんが、一般の方(「素人」)をいじる、というような作りになってしまった。そもそも、「素人」という言い方が、ちょっと見下しているように思う。芸人さんは、いつもテレビにいるんだから、慣れているのは当たり前だ。
地上波テレビの、「閉じた」感じが、強まっているように思う。それは、その「クラブ」に入っている芸人さんたちが、ある符丁、内部コードで、いじりあい、空気を読み合う場所になっている。そのような「現場中継」を、一般視聴者は見させられている。
情報源: クイズタイムショックと、テレビの現状