ソフトバンクSIMI、米映画会社レジェンダリーに270億円出資

世界戦略を考えた上で映画会社の買収は必須と考えていたが、50%未満の出資でも十分だろう。
米グーグルの上級副社長だったニケシュ・アローラ率いるソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI)による出資事業の第1弾。
アローラ氏はレジェンダリーの取締役に就任。

ハリウッド映画が過去作品のリメイクでかろうじて収益をあげる一方、人気ゲームコンテンツの映画化などの新たなコンテンツのマルチなキャラクター化がハリウッドスタジオで考えられる。

また、スマートフォンなどの活用や、ウェラブルの未来を描いた映画化なども製作できる可能性がでてきた。

当然、pepperのもたらす未来のようなものも間接的に全世界に示唆できるだろう。

映画の流通網を駆使して、潜在的なニーズをひきだしたり、流行の潮流を醸成できれば、270億円は、一本のヒットで十分に回収できる金額だ。

ちなみに、レジェンダリーが製作した、「GODZILLA(2014)」は、オープニング興行収入だけで、1億9,621万ドル(約196億円)だった。

かつて、ソニーがコロンビア・ピクチャーズを買収したことにより、映画の中にソニー製品を多数露出させたようなベタなやり方ではなく、IT産業がめざすべき、ヘルスケアやバイオ、ロボット、戦争解消など、将来を可視化させるコンテンツも登場させることもできるだろう。

携帯をかざせば、SIMI系の映画料金が永久に半額などという全世界レベルでのARPUによる割引きプランなども視野にいれることができる。

次の狙い目は、コンテンツ製作力のあるCATV局あたりではないだろうか?

コンバージェンス&ブラウズ革命

インターネット・メディアのめざすべき道は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などの20世紀メディアの収束(コンバージェンス)と、新たなニュース・スポーツ・音楽などのすでにスマホで閲覧(ブラウズ)しているコンテンツとの異デバイス間での融合だ。

ストリーミングで前半15分を無料視聴、CATVや映画館で残りを有料視聴する。月に3本まで新作映画が無料視聴など、いろんなビジネスモデルが考えられる。

月額課金での割引よりも、月額課金で他の対価をどれだけ価格シフトできるかという戦略がまだ、通信会社には残されている。

ソフトバンクは2014年10月3日、非上場の米映画会社、レジェンダリー・エンターテインメント(カリフォルニア州)に資本参加すると発表した。出資額は2億5000万ドル(約270億円)で、出資比率5割未満の株主になる。中国など新興国でコンテンツ配信を手掛ける共同出資会社も設立する。ゲームに続いて映像でも優良コンテンツを取り込み、収益基盤を拡大する。

レジェンダリー・ピクチャーズが製作した「GODZILLA ゴジラ」(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC

レジェンダリーはバットマンや米国版ゴジラなどを制作した映画会社、レジェンダリー・ピクチャーズや漫画のレジェンダリー・コミックなどを傘下に持つ。ソフトバンクは10月中に出資を完了する見通しだ。

ソフトバンクは7月、米グーグルの上級副社長などを歴任したニケシュ・アローラ氏を幹部として迎え入れる人事を内定し、米国にインターネット事業を統括するソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI)の設立を決めた。今回の出資はSIMIによる事業の第1弾で、アローラ氏はレジェンダリーの取締役に就く。

ソフトバンクは2013年に米携帯電話大手のスプリントを1兆8000億円で買収し、海外事業の展開を加速した。スプリントを通じた米携帯大手TモバイルUSの買収は当局の承認のめどが立たず、今年8月に事実上断念した。だが「通信、コンテンツの両面で引き続き事業拡大を目指す」(ソフトバンク幹部)としていた。

コンテンツ関連ではスマートフォン(スマホ)向けのゲーム制作会社の買収が先行し、13年にガンホー・オンライン・エンターテイメントと、フィンランドのスーパーセルを相次いで傘下に収めた。先月はアニメ制作会社の米ドリームワークス・アニメーションSKGの買収を検討したことも明らかになっている。

引用元: ソフトバンク、米映画会社に出資 約270億円 :M&Aニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞.