テレビ製作会社はテロップ作成する時にウィキペディアで少し調べるべきである。林修先生の痛快生きざま大辞典 #TBS

 

「林先生の痛快 生きざま大辞典」 TBS 毎週火曜日よる11:53
http://www.tbs.co.jp/program/ikizamadaijiten.html

東進ハイスクールの講師、林修先生の見事なまでの、プレゼンテーション番組を毎週欠かさず、録画で見ている。本当にこの番組は秀逸な番組だと思う。

今回は、明治時代の南極大陸冒険家、白瀬矗(しらせのぶ)の回。

同じ時期に世界の冒険家が集中した話の流れで、林先生が台本にないアドリブで、電話の発明の話をした。

 北極が制されてしまって、目標を南極にむけた矢先、同時期に南極を向かう隊が登場する。歴史にはよくある話。

有名な、グラハム・ベルと、イライシャ・グレイの電話発明の特許の話だ。
グレイとベルの1876年2月14日のたったの2時間差の特許申請は、その後18年間にも及ぶ特許紛争のスタートでもあった。

しかし、林先生は、「ベルとグラハムの特許が数時間差だった」と、グレイとベルを言い間違えてしまった。ベルとグラハムは同一人物である。

白瀬の南極チャレンジに、電話のレトリックを引用してくるセンスはさすがの林先生!これで理解はさらに2つのエピソードとして記憶に鮮明に残る。 

 

しかし、ベルとグレイの特許が数時間差だった。…と言うつもりが、ベルとグラハムを単純に言い間違えてしまった。

 

さらに、ベルの名前は歴史に残ってグラハムは忘れさられてしまった…と復唱した。ここまでは、単純な言い間違いのレベルでまったく問題がない。

しかし、問題はこのテロップを打つ人、それを管理しているディレクターが、台本に無いアドリブであればあるほど、確認しなかったことだろう。

テロップで、『※林先生の、グラハムはグレイのことでした』と修正テロップにするか、撮り直しが効かなかったのであれば編集で残念だがカットすることもできただろう。

しかし、林先生の言葉をそのままテロップに打つということは、一番やってはいけないことで、「知らないことは調べる、知っていることも念のために調べる」という心がけはディレクター陣には常に徹底してもらうべきである。ウィキペディアで調べればたったの3分で解決できることなのだから。

遠くはなれたイライシャ・グレイの遺族の名誉のためにも…。

 製作された、ワタナベエンターテインメントのディレクターの皆様、よろしくお願いいたします!

余談だが、別のテレビ局に、「ビデオジャーナリスト」の肩書の入った名刺を渡しているにも関わらず、なぜか「医療ジャーナリスト」として報道されたことがある。

あくまでも推測だが…。
「この人の肩書き何?」、「はい、ビデオジャーナリストです」「は〜い、医療ジャーナリストね〜」的な軽い会話の口頭のやりとりの中で作成されたテロップでしか、間違いはおきない。名刺を確認する作業すら行われていないことを物語っている瞬間だった。テレビを作る人にとっては、日常の単なるケアレスミスだが、報道される側にとっては、もしかすると、一生に一度の機会なのかもしれない。あらゆるテレビマンは、報道に対して自戒の念を持つべききっかけだと思う。もはやテレビコンテンツは、放送してしまえば、空気として消えるコンテンツではなく、ソーシャルで何度も咀嚼される時代なのだから。また、米国におけるフェアユースや、著作権においても、引用の範疇ということであれば、何度もケアレスミスは、指摘されることとなるであろう。