豊洲新市場移転問題 すったもんだの「千客万来」去る人来る人

東京都の豊洲新市場の事業計画

豊洲新市場整備総事業費  4316億円
土壌汚染 事業費      586億円


豊洲新市場整備計画
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/gyosei/pdf/gyosei/07/siryou65/09.pdf

まるで、新国立競技場並のずさんな計画が明るみになっている。

競技場は、競技場単体とカネだけの問題だが、豊洲の場合は、関係者が多いだけに事業計画が成り立たない点が問題だ。

同時に、新市場に併設される集客敷設としての「千客万来」の開業時期にも影響が与えられた。

考えてみれば、民間企業が豊洲の新市場から続々と撤退していったのは、このような不足な事態を、不足ではなく、最初から予見していたのかもしれない。

モーニングクロス 2016/09/20/TUE オピニオンクロスコーナーで矢野経済の水越社長も指摘しているが、東京都のビジネス感覚がずれていることが露見している。

すったもんだの「千客万来」は東京都の事業計画の問題

過去に、豊洲新市場「千客万来」の、大和ハウス、すしざんまいも大江戸温泉にからむ東京都との折衝で進出を断念。

❏すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(東京・築地)の木村清社長は2015年4月29日、本社で記者会見を開き、築地から豊洲(江東区)に移転する新市場に建設予定の大型観光施設「千客万来」(せんきゃくばんらい)の整備・運営を断念したことを明らかにした。

❏木村社長は、東京・お台場にある温浴施設「大江戸温泉物語」との競合が最大の断念理由であると説明した。大江戸温泉の運営会社が東京都と結んでいる定期借地権契約が「相談もなく2021年末まで契約が延長されていた。来年3月までで契約が切れるというので、新市場に温浴施設を造ることに決めたのに」などと語った。

❏都によると、観光施設は新市場内につくる2つの施設で構成。喜代村が飲食店や専門店街、温浴施設などを備えた床面積約1万7000平方メートルを整備し、大和ハウス工業(大阪市)が伝統工芸の体験施設や温浴棟を備えたもう1つの施設を整備する予定だった。一緒に事業を進める予定だった大和ハウス工業が2015年2月に辞退し、整備計画が頓挫した。

❏喜代村は単独で整備を進めることを決定。都に(1)大和ハウスが整備する予定だったエリアの優先開発権の認定、(2)温泉掘削権、(3)大江戸温泉物語と2021年以降の契約を延長しない、の3項目の内容を明文化するよう求めた。だが24日に「(明文化は)認めない」との回答があり、27日に辞退を決めたという。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/29/susizanmai-kiyoshi-kimura-toyosu_n_7176806.html

万葉の湯の「万葉倶楽部」が「千客万来」の運営を決定

❏東京都は(2016年3月)4日、築地市場(東京・中央)から移転する豊洲市場(同・江東)の場外に開く観光施設の事業者を発表した。温浴施設運営の万葉倶楽部(神奈川県小田原市)などが2019年8月に温泉施設付きのホテルを開業する。先行して2018年8月には飲食・物販店が集まる商業ゾーンを開く。

❏新設する観光施設「千客万来施設」は延べ床面積約4万2000平方メートル。都有地に50年間の定期借地権を設定し、万葉倶楽部に賃貸する。

❏温泉施設は24時間営業で、湯河原温泉(神奈川県湯河原町)からお湯を運ぶ。ホテル部分には食に関するイベントなどを開く会場を設ける。商業ゾーンは江戸の街並みを再現し、170~280の飲食・物販店の入居を見込む。

❏豊洲市場は今年(2016年)11月7日の開場予定。千客万来施設は2014年にすしチェーン店経営の喜代村(東京・中央)と大和ハウス工業が事業者に決まったが、両社が辞退し都が再公募していた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H8X_U6A300C1CR8000/

千客万来施設事業(6街区)事業予定者の決定
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/press/2015/0304_2641.html

万葉倶楽部とは…トップ経営者高橋弘会長の新規事業の目のつけどころ

http://www.manyo.co.jp/
「万葉倶楽部」は「運び湯」という新発想で、温泉ではないところに温泉地を作るという写真DPEチェーンのジャンボーの新規事業としてスタートした事業。
http://www.jumbo.co.jp/

万葉倶楽部のトップ経営者の高橋会長は、このネガティブな空気で満載の「千客万来」を今、どうとらえていることだろうか?
通常ならば、落札したが、オープン時期が見えないので撤退という選択さえもあるはずだ。

❏高橋さんは、1960年に独立系の写真DPEチェーンである日本ジャンボーを設立し、97年には温浴施設「万葉の湯」を始めました

❏「私は熱海の酒屋の長男として生まれ、高校時代は写真部だったものですから、卒業後は家業を手伝いながらアルバイトで撮影など写真関係の仕事を手がけたのです。2つの商売を比較してみたところ粗利益率が断然違う。そこで写真を本業にし、海外メーカーのフィルム中心に扱うDPEチェーンをつくり、最終的には上場まで持っていったのです」

❏「私は何をやる場合でも、(世間一般とは)違う考え、違う立場からものを見、考えることにしています。逆転の発想といいますか。当時、温浴施設は、健康ランドを先駆けにスーパー銭湯などが次々と誕生し始めていました。同じことをやっていては埋没する、より高級な温浴施設にしようと考えたのです。そこで熱海や湯河原の高級旅館並みのたたずまいともてなしを提供する施設を造り、お風呂も名湯・湯河原の源泉を運び込み、都心で本物の温泉の雰囲気を楽しめるビジネスモデルを創案したわけです」

–温泉権入手は結構難しいと聞きますが

❏「構想がまとまりかけたところで、すぐさま手を打ちました。たまたま温泉旅館が不況で廃業するところが多い時期と重なり、割合スムーズに温泉権は確保できましたね。何十年もかかって地中に浸み込んだ水が、地熱によって温められたのが温泉。ミネラルをたっぷり含んでおり、水道水を沸かしただけのお湯とは全く違う。だからお客さまも満足してくれているのだと思います」

–温浴施設に加え、その後、旅館・ホテルを相次いで買収しました

❏「万葉の湯は日帰り入浴施設としてスタートしましたが、お客さまから宿泊もできるようにしてくれと強い要望があり、宿泊設備を付加したのです。温泉旅館・ホテルは、経営不振に陥った地元の老舗高級旅館から何とかしてくれと頼まれたりしたことからグループの傘下に入れ、逆に日帰りサービスを加えたりして稼働率を上げ、経営効率化を図っています」

–温浴施設は競争が激化していますし、温泉旅館はまだ完全復活とはなっていませんが

❏「万葉の湯は他の温浴施設と異なり、既存施設も前年対比で売り上げがプラスに推移しています。しかしロケーションなどがいい物件があれば別ですが、当面は増やす気はありません。旅館・ホテルも、老舗で高級であればあるほど耐震設備等を含め、リニューアルに費用がかさみますので、とりあえず一休みですね」

–とすると、今後の万葉倶楽部グループの発展の方向性は

❏「私は世の中の不合理に挑戦しようとする気持ちを持ち続けています。多くの人に幸福をもたらすことができるので、そこにビジネスチャンスが生まれると考えているからです。次のビジネスですが、具体的なことはまだ言えませんが、今どきの言葉を使えば『終活』に関わるもの。すでに相当調査しており、20~30年後には、多くの人から『高橋はいいことをしてくれた』といわれるとともに、ビジネスとしても大きなものになると考えています」
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140513/ecn1405130830005-n1.htm